あにょはせよ。(안녕하세요)
韓国で子育て奮闘中のここまるです。
韓国の小学校は8月の中旬から2学期が始まりました。
2学期には、去年行けなかった野外学習や体験学習も計画されているので子供たちは楽しみにしています。
そして先週は学校から「수상안전교육」のメッセージが届きました。
수상안전교육とは「水上安全教育」のことで、セオル号沈没事故の痛ましい教訓をもとに取り入れられた安全教育プログラムの一つです。
沢山の子ども達が犠牲になったあの事故を忘れないために、小学校では水の中で生存する力を養う実技体験を行い自分たちの命を守る方法を学びます。
「韓国の子は泳げるの?」と聞かれることがよくありますが、ほとんどの学校にプール施設がないため水泳を習う場合は水泳教室に通うのが一般的です。
韓国語でスイミング教室は수영교실 (スヨンキョシル)です。
また「学校にプール施設がないのにどうやって水上安全教育をやるの?」と疑問に思うかもしれません。
そこで今回は、日本とはちょっと違う韓国の子供たちの気になる水泳事情やうちの子が水泳教室に通った体験談をお伝えします。
Contents
韓国の子は泳げない?韓国の小学生の水泳事情
韓国の子供たちは泳げない子が多いです。
その理由は大きく分けて二つあります。
一つ目は、学校にプールがなく水泳の授業がないこと。
二つ目は、民間の水泳教室が高額であること。
です。
教育部の資料によると、全国6157校の中で「プールを保有している小学校」は、81か所(約1.3%)にしか及ばない(教育プラスより)。という点と水泳教室が身近に少なく費用負担が多い点が泳げない原因なのではないかと感じます。
水上安全教育とは?
学校で行われる水上安全教育は、小学校では3年生以上を対象に水の中で生存保護能力を強化するためのものです。
1回2時間×5日間の合計10時間で、水に慣れ、自分の命を守るための知識や方法を実践で体験します。
最初の2時間はプールの中で水に慣れ、その後は体を浮かす方法や、道具を使いながら浮かぶものをつかんだり、目標の場所までたどり着く練習をします。
どこでやるの?
この「水上安全教育」の授業の時期になると、学校の門には朝早くから黄色い大型バスが並び子供たちは各自持参した水泳カバンをもち各地域のプール施設に移動し、インストラクターから指導をうけます。
韓国では、学校内にプールがないため地域の水泳教室や市の施設や提携先で授業を受けます。
持参するもの:
スイミングウェア、ゴーグル、キャップ、防水マスク、タオル、洗面道具
特に指定されたスイミングウェアがあるわけではないので、ラッシュガードを着てくる子も多いです。いたって自由。
地域の水泳施設に行き、各自持参したスイミングウェアに着替えて水の中で体験をした後に、シャワーを浴びて12時時頃に学校に戻ってくるのが一般的な流れです。
5日間だけの授業なので、少々物足りなさを感じます。
泳げるようになるのか?
この学校の水上安全教育がはじまった当初は、「クラスで自分の子だけ泳げないんじゃないか?」と心配する親たちの声をよく聞きました。
しかし実際には、泳げなくても全く問題がなく、水の中で浮いたり、もぐったり、ペットボトルをつかむ練習をするまさに!「自力で命を守る授業」だったのです。
近所の水泳教室に通ってみた
日本では幼稚園になるとスイミング教室に通う子が多いですが、韓国ではスイミング教室が少なく高額なため限られた子だけが通います。
とは言え、悲しい事故の後は「自分の子供の命を守るために水泳を習わせたい」と願う親たちが増えました。
小2になると、周りのお友達が徐々に水泳を習いだすようになり「うちの子が水泳を習うけど、一緒にどう?」と誘われてうちの子も水泳教室に通い始めました。
月25万ウォンの水泳教室
韓国で初めて通った水泳教室は、とても評判が良い人気の場所でした。
費用はバスの送迎付きで、1回40分×4回の授業が月25万ウォン(約2万5千円)。(2017年当時)
少人数制で、きめ細やかな指導と上達の速さが評判。
一人のコーチが5人の子供たちを指導してくれました。
「どのように教えるのか?」
「運動が苦手な息子がどんな風に習うのか?」
息子は、日本に帰国するたびに短期講習を受けていたので、ビート板で泳ぐ練習は何度もしていました。
そのため、水慣れした段階からスタートしましたが、初めての事でいろいろなことが気になった私はほぼ毎週のようにガラス張りの部屋から練習風景を見ました。
時間帯が3時ということもあったのか、保護者の部屋にはいつも私一人。
最初の3回は女のコーチが指導していましたが、その後からは突然、男性コーチが教えるようになりました。
日本とは違う水泳教室
担当のコーチが女性から男性に代わってからはうちの子が怒られる光景を見る事が増えました。
ある日の練習はビート板を使い泳ぐ練習をしたのですが、うちの子が上手に泳げず何度も立ってしまうと、コーチから水をひっかけられ、クロールの練習の時にも手の上げ方が指導通りではなかったと何度も怒られているのを見て「これはまずい」と心配になることが多々ありました。
要領よくコーチの指導どおり泳げない息子も気の毒なことや、怒られ続け委縮して水泳が嫌いになると思いながらも、4か月続け結局やめました。
40分の練習の後は、みんなで10分ほど水遊びをするのですが、バトル系の水遊びをして体やボールを投げ合っている光景をよく見ました。
レッスンが終わると
各自シャワーを浴びて出てくると子供たちは受付にある椅子に座り、事務の人たちがドライヤーで子供たちの髪の毛を乾かしてあげるサービスがありました。
送迎のバスが来るのを待ちながら、子供たちは配られたおやつを食べるのも楽しみの一つだったようです。
今思えば、うちの子が通ったはじめてのスイミング教室は、水質も良く清潔でサービスが行き届いた高級スイミング教室だったのです。
水泳も英才教育?
近所の子供たちは数学や英語の塾の合間に熱心に水泳教室にも通い、クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライまでマスターする子が多くいました。
しかし実際にクラスの何割の子が水泳をマスターしているのかは統計を見たことがないので正直わかりません。
実際には民間の水泳教室が高額なため、市営の水泳教室に通う子もいましたが、プログラムが少なく時間帯も合わず結局は長続きせず辞めている子がほとんどでした。
親の誰もが「できるなら子供が泳げるようになってほしい」と願いますが、この環境ではなかなか難しいのが現状です。
ちなみに、うちの子たちは夏休みや冬休みに日本に帰国する時は近くの短期教室の日程をしらべ、積極的に通わせていましたが、時間があるときに水泳だけはやらせておきたかったのでとても満足しています。
最後に
韓国の子どもは泳げない?韓国の小学校の水泳事情とスイミングクラブに通ってみた感想を紹介しました。
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