いよいよハロウィンの時期が到来。
毎年、東京・渋谷で催されるハロウィンは、国内外から多くの若者たちが集まり、「100万人のお祭り騒ぎ」とも呼ばれ、都内最大のイベントとなりました。
しかし、実際にはトラブル、痴漢、飲酒、暴力事件などの問題が増加し、社会的な懸念が高まるようになりました。
2022年10月29日、韓国の首都ソウルの梨泰院(イテウォン)で発生したハロウィンの雑踏事故から1年が経過した今。
その事故で、日本人を含む154人が犠牲になり、本来楽しいハロウィンイベントが深い傷を残しました。
残された人々は今でも心に重い後遺症を抱え、失ったものへの喪失感や悲しみが消えず、時折怒りや無力感に変わることもあります。
私たちの感情には、「なぜこのような悲劇が起きたのか」という疑問がつねに残り続けているのです。
日本では渋谷ハロウィーンの規模が年々大きくなることで、ルールや安全を無視する人も増え、事故や迷惑行為が多発していますが、その結果「ハロウィンは迷惑」「人が多すぎて、危険すぎる」「渋谷に仕事でいかないといけないけど、恐怖でしかない・・」といった声も頻繁に聞かれるようになりました。
事故の再発防止のためには、安全対策が不可欠ですが、安心してイベントを楽しむためには、参加者全体が協力してルールを守ることが大切です。
社会全体で意識を高め、安全を確保するための対策を共に考えてみる機会を持ってみるのはいかがでしょうか。
安全にイベントを楽しむ方法やルールの大切さとは?
さっそく渋谷ハロウィンが危険と言われるまでになった変化や、韓国の梨泰院の事故から1年経った今を紹介していきます。
Contents
渋谷ハロウィンは危険すぎる?
渋谷ハロウィン、それは日本中の若者が非日常を楽しむお祭り。
とは言え、主催者がいないので若者たちは道に集い、日本ならではの仮装やコスプレで心躍らせる時間です。
「ハロウィンを安全に楽しみたい」という声の一方で、道端で歓声が響き渡り、お酒を楽しむ人たちも。
その楽しみ方が、時折トラブルや暴走、迷惑行為が激増し「渋谷ハロウィンは心配だ」「もっとマナーを守ってほしい」「人が多すぎて怖い」との声が増えるようになりました。
看板や警備にかかる費用は1億円。
それでも変わらない迷惑行為・・・。
税金の使い道に疑問の声が上がるなか、渋谷ハロウィンは悪名となってしまった昨今。
2019年の渋谷駅前に掲げられた「ハロウィーンを渋谷の誇りに」の看板が、2023年の今年は、事故や災害を防ぐために集まらないよう警戒する呼びかけがありました。
2019年当時の看板⤵
渋谷ハロウィンの期間中、歩行者天国に変わり、通常の雰囲気とは異なる、華やかな場所に変身します。
「自分の好きな仮装を楽しみたい!」
「いろいろな人と交流できて写真も撮れる」と、非日常的なお祭りを楽しむことができますが、残念ながらみんなが安心して楽しめる雰囲気ではないのが現状です。
実際に、渋谷駅周辺に行くと、渦巻くほどの人混みで、一瞬で大きな事故が発生する可能性があるため、恐怖感が高まると感じる人も多いです。
渋谷ハロウィンを楽しむ人たちの数は、2019年には約4万人でしたが、今年はそれを超えて6万人以上に増加すると渋谷区の発表がありましたが実際にはどのくらいの人たちが集まるのでしょうか。
10月27日~10月31日18:00~翌朝5:00
本来、安全に楽しめるハロウィンが、迷惑、暴力、マナー違反によって汚らわしいお祭りの代名詞にならないようみんなでルールを守り安心して参加できる雰囲気になってもらいたいです。
渋谷ハロウィンの悪いイメージを払拭
渋谷ハロウィンでお酒を飲んで暴れたり、迷惑行為が多発するなか、モラルをもって行動するように呼び掛ける人達がいることも忘れないでいたいですね。
【拡散希望】
今年は「渋谷に来ないで」と規制されることになった渋谷ハロウィンは悪いイメージが強いと思います。しかし、渋谷を綺麗にするために多くの人が集い、朝の渋谷を1年で1番綺麗にする日でもあったんです。
いつかその日を取り戻したい。
どうか今年はモラルをもって行動してください。 pic.twitter.com/GwNksrsnxH
— スラウザー【RLSH】 (@skullrouser1996) October 19, 2023
梨泰院の事故から1年の今
韓国のハロウィンの聖地、ソウル・梨泰院(イテウォン)。
そこで繰り広げられた悲劇はこれからもずっと忘れてはいけない事故です。
2022年10月29日、梨泰院(イテウォン)でのハロウィン。
国際企業が多く外国人が集まる場所として知られ、若者たちが集まる場所でもありました。
しかし、その日、動けないほどの人混みによる坂道で、多くの人々が圧死し、日本人を含む159人がこの世を去り、196人が傷つくという悲劇があったのです。
「あの時の悲鳴が今も聞こえる」
「助けて。助けて」
「AEDがないのか?」
「あの事故は防げなかったのか・・」
悪夢のような雑踏事故から1年たった今。
家族や友人を亡くした悲しみに苦しみ、今も「なぜあのような事故が起きたのか」「なぜ自分は生き残ったのか」という疑問が胸に残ります。
精神的な後遺症に悩む人々は多く、心理治療の支援を受けたケースは現在までに7000件以上に上ると言われています。
外国人の死亡者は、日本2人、イラン5人、中国2人、ロシア4人、アメリカ2人、以下のベトナム、フランス、オーストラリア、ノルウェイ、オーストリア、カザフスタン、ウズベキスタン、スリランカは1名ずつ身元が確認されています。
事故直前の動画とドキュメンタリー
韓国では梨泰院の事故(이태원 사고)直前の生々しい様子はyoutube上にニュース記事を含め大量に拡散されました。
事故があった日、梨泰院駅の乗降含む利用客は13万131人だと発表されたのですが、これは前の日5万9995人の2倍を超える人数だったのです。
狭い道に人がどんどん流れていき、最後は密集状態になり身動きが取れなくなるまでに。
波を打つように人が前や後ろへ動く様子をみて、「もし、自分がこの中にいたら・・」と想像するだけで体が震えました。
そして動画を見ながら、昔、都内の満員電車で息ができないほどギューギューに押し込まれ毎朝通勤していた自分を思い出しながら、もし急ブレーキを踏むような事故があれば、同じことが起きていたのではないか?と考えて怖くなりました。
この梨泰院ハロウィンの事故の経緯は、目撃者からの聞き取り、防犯カメラ・私設のカメラ、SNS投稿による映像を分析して調査されたと言われています。
BBCのドキュメンタリー
「梨泰院惨事1年。記憶を守る生存者と遺族たち」
誹謗中傷と自死
2022年11月11日に、龍山警察署の情報課係長が自宅で死亡しているのが発見。
自殺と見られていますが、死亡した情報係長は、ハロウィンで梨泰院に群衆が集まり事故が起きる危険性を事前に警告していた内部報告書を事故発生後に破棄するように命じたなどの疑いが持たれており、証拠隠滅、業務上過失、職権乱用などの容疑で捜査対象となっていた。
また同日にはソウル市役所の安全支援課の幹部が自殺とみられる状態で死亡しているのが発見。この幹部はいかなる捜査も受けていなかったが、ソウル市における祭りの安全対策と災害時の心理カウンセリングプログラムの緊急点検文書に関する最終承認者であった[61]。
出典:ウィキベデアより
アメリカのハロウィンで増加する事故
もともとアイルランドの収穫祭「サウェン (Samhain)」から派生し、アメリカで伝統行事になったハロウィン。
子どもたちが仮装しお菓子をもらい歩くイベントでしたが、今では主に家庭内や特定の場での大人から子供まで楽しめるアメリカ人が大好きなイベントです。
その中でも、世界最大級の規模とも言われるアメリカ・ロサンジェルスのウェスト・ハリウッド・ハロウィーン・カーニバル「West Hollywood Halloween Carnival」は世界中から人が集まり本格的な仮装を楽しみます。
50万人以上の人が集まる大イベントなので、期間中は飲酒運転による交通事故で死亡する人が増加する時期でもあるのをご存知でしたか。
人が集まる場所は、普段以上に安全に気をつけるべきです。
最後に
世界中が待ち望んでいたハロウィンがやってきました。
しかし、今年は韓国では悲しみに包まれた行事となり行事やセールが全国的に自粛され、亡くなった方々への哀悼の念が広がります。
さらに、異例の発表となった渋谷ハロウィンの自粛宣言にもとれる看板は、「事故が起きてからでは手遅れだ」という思いと、安全を第一に考え、誰もが幸せに楽しめるイベントに変わる必要があるという願いが込められているのではないでしょうか。
時には変わることが進化への第一歩。
未来への祈りを込めて。