韓国でトライリンガル育児しています。
今回は、韓国で子育てをしながら感じる韓国のならではの教育観や、子育て方法について、8つ紹介します。
グローバル時代と呼ばれていますが、様々な国の生活習慣や価値観を知るとその国の理解が深まるだけでなく、私たちが当たり前のように感じている常識を違う面からも見ることができるようになります。
意外と知らないお隣の国の育児事情!
「こんな考え方もあるんだ~!」
と驚くこともあれば、新しい発見であなたの考え方が変わるかもしれません。
この記事は以下の方に向いています。
✅日韓の教育観や子育ての違いを知りたい
✅韓国の子育てで親たちが大切にしている価値観とは?
✅海外の教育事情が気になる!
世界中で、韓国のエンターティメントが注目を浴びているこの頃。
韓国のエンタメの成功の秘密も、韓国の教育と関係があるかもしれませんよ。
では、早速見ていきましょう!
Contents
日本と韓国の教育観や子育て方法の違いは?
日本と韓国の教育観の違いは、比べるとたくさんあります。
世界一教育熱心な韓国では、大学受験がとても重要なので、子どもが生まれたら赤ちゃんのころからインソウルをめざしソウル圏の大学に入るために力を注ぎます。
貧富の格差に関係なく、教育熱心な家庭が多い韓国です。
スタートが遅いと手遅れになるという不安から早期教育にも熱心です。
地方の大学よりもソウルの大学に入った方が将来も有望だと考えるため、学部を変えてでもソウルの大学に合格しようと努力します。
韓国国内では大学を卒業後の就職競争も激しく、英語の成績が評価を左右する場合があります。
そのためスペックをあげるために短期留学をはじめ、高校留学、大学留学、大学院留学をし、海外で英語力を伸ばそうとします。
学歴も重要ですが、大学卒業後の職場選びはもっと大切です。
親たちは出産と同時に、常に子どもファーストで教育環境を整え将来のために努力を惜しみません。
そんな韓国の教育観と子育て方法の8の違いを紹介します。
- 子どもに惜しみなく投資する
- テレビをリビングに置かない
- お肉を良く食べる
- 英語教育は基本
- 子どもいい点をアピールするのが上手
- 自信をもたせる
- 体を温かく育てる
- 子どもの芸術的感覚を伸ばす
日本の教育環境や育児方法を比較しながら、楽しく読んでくださいね。
では、一つずつ見ていきましょう。
子どもに惜しみなく投資する
韓国の親たちは過剰なほど犠牲心が高く、子どもを溺愛し育てる傾向があります。
良い服を着せ、栄養バランスを考え、良い教育を受けさせ、子どもの可能性を伸ばすことに力を注ぎます。
親たちは愛情深く犠牲心も強いため、子どもの将来を考え環境づくりをし、できる限りのことをしてあげたいと思う気持ちがとても強いです。
親たちの世代と比べたら、生活水準も学習環境も良くなっています。
そのため親たちの子どもの時とは違うことも多いので、情報収集が不可欠です。
ママたちがカフェで情報集めのために集まっている光景をよく見るのはこのためです。
他の子たちがやっていることを自分の子どもにもやらせてあげないと遅れをとってしまうこともあるので、新しい教育情報や流行チェックも欠かせません。
しかも競争が激しい韓国社会では、全力で準備をする家庭が多いため親たちは常に緊張感と焦りとともに、子どもの教育にかかわります。
親たちは、自分の老後も心配する余裕もなく教育戦争に巻き込まれ教育投資に翻弄され続けるのです。
この異常なほど過酷な教育戦争にのめりこむと、常に競争心と焦りで不安になり、尋常な精神ではいられなくなる時があるはずです。
テレビをリビングに置かない
韓国ではリビングにテレビを置かないご家庭が多いです。
その背景として、ハブルタ教育があります。
ハブルタ教育とは、ユダヤ式の教育学習法で対話をとおして知識、理解を深めていく学習方法です。
私も韓国人のお宅にお邪魔をしたことがありますがハブルタ教育の関連本が並んでいるご家庭や、リビングに本棚がたくさんあるのを見て日本のリビングと違うことによく驚きました。
子どもと本を読むためにリビングにテレビを置かないのが韓国の子育て方法だったのです。
家族の団らんや会話を大切にでき、勉強も集中できる環境を整えられることからリビングにテレビを置かない環境を子供が生まれたときから作ります。
「テレビが大好きなパパたちはどこでテレビを見るの?」
子どもの勉強の邪魔にならないように、別の小部屋でお父さんたちはテレビを見るなんてことは韓国では良くある話です。
お肉をよく食べる
韓国の食文化といえば、「焼き肉!」と答える方が多いと思いますが、韓国の食文化に肉は、欠かせません。
給食のメニューも肉料理が多く、街を歩けば焼き肉屋が多いのが韓国です。
韓国の子どもは肉が大好きでたくさん食べます。
肉料理もさまざまです。
サンギョプサルやタッカルビ、骨付きカルビなどを外で食べることも多いですが、子どもがしっかり背が伸びるように家でもお肉を食べさせているご家庭が多いです。
朝ご飯に、ステーキやサンギョプサルを食べさせる男子のご家庭も多いんですよ。
フライドンチキもおやつや夜食に人気です。
塾やテコンドー道場でも、フライドチキンを注文してパーティをすることがよくあったので、それ以来、我が家でもフライドチキンは宅配注文をして食べるようになりました。
いろいろなフライドチキン会社があり、ハニーバター味やおこげ味、ニンニク醤油味のチキンなど味を試せるのも飽きない理由のようです。
韓国の人たちが体が大きいのは、肉の消費量からみてもうなずけます。
英語教育は基本
競争力のカギになる科目が英語なので、親たちは子供の英語教育に投資するのは不可欠だと危機感を持っています。
私教育の英語産業ますますヒートアップし英語教育の情報は日本以上にたくさんあります。
韓国人の英語水準は上がっていますが、背景になるのは学校教育ではありません。
2020年のTOEICの世界の平均スコアランキングでは、
韓国は世界12位の683点、
日本は、27位の531位でした。
今後も、韓国の英語の実力はますます伸びると予想されます。
このように国力にもなる英語力ですが、この高い水準の英語力を育てるのは家計の大きな出費のおかげです。
韓国では家計の大きな出費になるのが私教育の英語なのですから。
親の将来の老後の心配をする余裕もなく、子どもの英語投資に追われて必死に英語の塾に送る親たちの汗と涙の結果が韓国の英語力の向上につながっています。
人気の英語教育(ユーチューブ)
英語に慣れる環境を作る時に、音楽や動画をかけ流しているご家庭で人気のユーチューブがあります。
無料で聞けて、楽しい音楽や動画で英語環境を作るならユーチューブが手っ取りばやいですよね。
赤ちゃんの時から英語を聞く習慣をつけ、聞き流しをする習慣をすると良いと言われています。
今回は、幼児に人気のサイトを3つ紹介します。
ミニパン
韓国のSAMGエンターティメントが運営しているユーチューブチャネルのミニパンが、人気です。
購読者数も、3000万人を超えています。
子どもの目線に合わせた英語の動画コンテンツは、韓国だけでなく世界中でも人気を集めています。
미니팡TV 영어 ミニパンテレビ 英語
パンケーキ マナー
世界中で5億回再生されている大人気のパンケーキマナーは、カナダで制作されています。
pancake manor パンケーキマナー
乳幼児向けのチャンネルなので、安心して見せられるのもポイントです。
韓国の英語教室などでも、このチャンネルを利用して英語教育を行うところもあります。
季節に合わせた歌や、英語圏の子供ならだれでも知っている歌、オリジナルソングまで様々あって楽しめます。
ペッパピッグ
世界で大人気のペッパピッグは、イギリスのアニメです。
peppa pig ペッパピッグ
英語圏に在住していた韓国人たちが一押しするアニメが、このペッパーピグです。
瞬く間に人気が広がり、韓国人で知らない人はいないほど。
大人もついはまってしまうほど、面白く簡単なのでお勧めです。
韓国国内で英語圏の教育が受けられる学校
韓国の国内には外国人学校、国際学校があり、入学条件もさまざまで、試験を受けて入学します。
韓国で知られている英語カリキュラムで行う学校施設を紹介します。
主に規模の大きいKIS(済州国際学校)を始め、
YISS(ソウルヨンサン国際学校)
SFS(ソウル外国人学校)
채드윅(チャドイック)
청라달튼(チョンラダルドン)
GSIS(キョンギ スワン インターナショナルスクール)
NLCS(ノースロンドンカレジッジエイトスクール済州)
SJA(セイントジョーンズベリーアカデミー)
があります。
また、チェジュ道にはチェジュ国際自由都市(JDC)がつくられ英語教育都市がつくられ今後も海外の名門校が増える予定です。
現在は、チェジュ国際自由都市ある学校は以下の通りです。
- イギリスの名門校のノースロンドンカレッジエイトスクール済州(NLCS)
- ブランクサムホールアジア
- 済州国際学校
- セイントジョーンズベリーアカデミー(SJA)
名門スクールの授業料は、高いことでも知られています。
中学生の場合、年間の学費は3000万ウォン(300万円)から。
寮やスクールバスの費用は別で発生します。
SJAチェジュでは、2020年には37名中32人が海外の名門大学に合格した実績があり今後もますます英語カリキュラムで授業を行う国際学校、外国人学校への関心が高まるでしょう。
子どものいい点をアピールするのが上手
子育てにおいては熱心であるほど、子どもの自慢話をよく聞きます。
各分野での大会で表彰された時に、賞状やメダルなどをSNSに載せて公表します。
例えば・・・
「韓国数学大会で10以内に入った」
「科学大会で、入賞した」
「市の行事で表彰された」
「舞台やミュージカルに出演した」
子どもの活動の様子や、賞を取ったときに限らず、普段から旅行先の写真や家族写真を載せる傾向があります。
日本ではラインに個人情報や顔写真をのせることに抵抗を感じる人が多いですが、韓国ではプライベートの様子を公開する人が多くてこれも文化の違いだなあと驚きました。
自信を持たせる教育
韓国では、子育ての中で子どもに自信をつけさせることを大切にし子供が弱気にならないように自信をつけさせて育てます。
韓国の言葉では「子どもを委縮させず、自信感を持たせ育てよう。」という雰囲気があります。
「기죽지않고 자신감있게 키우자」キジュクジアンコ ジャシンイッケキウジャ
弱気にさせず、自信感を持たせて育てよう。
堂々と、自信をもって自分を表現できる強い子になってほしいので、子どもを叱りすぎたり、遠慮や過剰な配慮のための謙虚さは見られません。
韓国人の子育てを見ていると、寛容でのびのびとした子育てを好み、欲も強さもある子に育てる傾向にあります。
体は温かく育てる
日本の子どもは冬でも薄着で、半そでで校庭を走るイメージがある反面、韓国では常に温かい格好をさせて育てる風習があります。
子どもの時も自分の体温で調節できる力をつけるために1枚薄着で裸足で過ごしますが、韓国で同じようにすると、注意をされたり、心配をされることがあります。
子どもの芸術感覚を伸ばす
韓国に住んで驚いたことの一つに、美術や音楽を楽しめる文化が日常と密着していることです。
アートや音楽を習う教室も多く、演奏会や展示会も多いので子供たちの美術的な感覚を育て伸ばせることができる環境があります。
パフォーマンス授業と言って、広いスペースを使って自由に創作を楽しんだり、男の子の気持ちが分かる男性講師の個人美術教室があったりと、芸術を楽しむカリキュラムも種類も様々です。
韓国人の芸術的な感覚が高いのは、幼児教育から始まる芸術的な教育に始まり、日常でも芸術文化を楽しめるのが特徴です。
最後に
今回は、日韓の子育て比較!日本と違う価値観や子育て8つの方法とはを紹介しました。
意外と知られていない韓国の育児方法や、教育観について理解が深まりましたでしょうか。
今回の日、韓の子育て比較のなかで韓国のお肉文化についても紹介しましたが、周りのご家庭がお肉をしっかり食べさせるというのを聞いて、慌てて肉の量を増やしたことがあります。
魚と野菜や豆を中心に食べている我が家と、朝からステーキを食べているご家庭では明らかに子供の体形が違うので、私も不安になって肉の量を増やすようになりました。
実際のところ、低学年まではそれほど子供たちの体形は変わりがないのですが、高学年になると、肉を食べている子たちの体つきが明らかに見た目が変わってきます。
ちょっと太りぎみに見えてた子も、中学校に上がるころには背がぐっと伸び、お腹周りがへこみスラッと体格が良くなるのを見ると、うちの子にももっと肉を食べさせないといけないなあと思ってしまいます。
肉文化は、こうやって子供の子育てにも大きく影響しているんですよ。
ひーりんぐまっぷが、みなさんの視野を広げるきっかけになれば嬉しいです。
是非これからも異文化体験を楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。