トライリンガル育児しています。
今回は、韓国の幼児、小学生が通うピアノ教室について紹介します。
韓国の子どもは幼児期からピアノを中心に楽器を習い始めたり、パフォーマンス授業と言って、絵を書いたり物を作るアート教室に通う子がたくさんいます。
芸術系の教室が学校や住宅街にたくさんある韓国では、気軽に芸術的な感性を伸ばすことが可能な環境です。
今回は、日本の子どもたちにも人気の習い事「ピアノ」に関する内容です。
韓国の友人がピアノ教室を経営しているので、私は音楽や、ピアノ教室にとても詳しくなりました。
日本の友達から「韓国のピアノ教室ってどんな感じなの?」と聞かれることがあるのですが、韓国のピアノ教室事情が気になる方、音楽が好きな方は読んでくださいね。
ぜひ、最後まで読んでくださいね。
Contents
【韓国の教育事情】子供が通うピアノ教室のシステム
韓国のピアノ教室「피아노 교실」は子ども達が通いやすい場所に密集しています。
피아노 교실 :ピアノ キョシル
ピアノ教室があまりにもたくさんあるので、運営する側は大変です。
1人でも多くの生徒を集めるためにピアノだけを教えるのではなく、週1回無料でウクレレやカリンバなど別の楽器を教えるところもあります。
またイベントも多く、発表会、ピアノコンクールなどの大会に力を入れているところもあったりと、教室ごとにさまざまな特徴があります。
日本には、ヤマハやカワイなど大手の音楽教室が全国展開していますね。
韓国にもヤマハのセンターがあり、全国展開をしていますが知らない人も多いです。
韓国では大学や大学院でピアノを専攻した女性が個人でピアノ教室を経営しているケースがほとんどです。
またピアノをメインにしながらもバイオンやフルート、チェロ専攻などの他の専攻分野の先生と提携をし「音楽教室」として看板をだし運用している場合もあります。
私の友人のピアノ教室にはピアノの部屋以外にバイオリン練習室があります。
日本のピアノ教室と違う点は?
日本のピアノ教室との違いを4つまとめました。
以下の通りです。
・週5日ピアノ教室で練習をする
・音楽の基礎を学べる
・イベントが多い
・月謝が安い
一つずつ説明しますね。
ピアノ教室に週5日通う
韓国の子供たちは、ピアノ教室に毎日通います。
教室に入ると中央にグランドピアノがあり先生がそこで生徒を迎えます。
グランドピアノを囲むように、個室になった小部屋がいくつもあり一台ずつピアノが設置してあります。
生徒たちはこの小部屋に入り、ドアを閉めてピアノを思う存分練習をします。
この小部屋は、
日本でいう一人用カラオケボックスみたいな感じと言えば伝わりやすいですかね。
このようにドアがあり部屋は個室になっています。
ピアノ教室の規模にもよりますが、個室が4つ~8つほどあり開いた小部屋で各自が自由に練習をします。
各個室で練習をした後は、中央にあるグランドピアノで練習の成果を見せ先生から細かい指導を受けます。
家にピアノがある生徒は自宅で練習ができるので上達も早いですが家にピアノがない生徒も多いので、教室に来てスキルを磨きます。
「ピアノがないからピアノは習えない。」ということがないので、誰でもピアノを習える機会を持てます。
1回50分程度ですが、ピアノのレッスンだけでなくワークブックを使用し音楽の基礎概念を学んだり、他の楽器を学ぶ場合もあります。
教室のように机が並んだ部屋には、生徒たちがワークブックをしたり学校の宿題をする部屋があり、楽譜、音符の概念を学びます。
日本と同様に韓国でもピアノの教本といえば「バイエル」바이엘なんですよ。
바이엘:バイエル
音楽の基礎を学べる
ピアノ教室では、ピアノのレッスンだけでなく、ワークブックを用いてさまざまな音楽の規則を学びます。
音符にもたくさんの種類がありますし、拍子や強弱などの記号も覚えて弾けるようにならないといけないので、先生の講義を受けてワークブックをすすめます。
学校の授業とも連動してくれる場合が多く柔軟に対応してくれます。
「先生!学校の授業でリコーダーのテストがあるんです。」
と相談すると先生が快く助けてくれたりします。
イベントが多い
人気があるピアノ教室は、イベントが多いです。
例えば・・
・他の楽器の演奏体験
・ミニ発表会
・コンクール出場
・クリスマスパーティ
・季節ごとのパーティ
・みんなの演奏を動画を撮って配信
うちの子が通っていたピアノ教室では、週1回ウクレレを習うことができました。
当時ウクレレが流行していたこともあり、「ウクレレが無料で習える!」と人気殺到した時期もありました。
ウクレレは音符が読めれば簡単に弾ける楽器であることや、お友達と一緒に演奏できる楽しさを味わえるのが魅力です。
またピアノ教室ごとにアプリを使って親との意思疎通も欠かせません。
パーティの様子や各生徒の完成した演奏を動画で配信してくれることが多いので、父兄たちはピアノ教室の雰囲気やイベントの様子を把握することができます。
月謝が安い
習い事の中でも、ピアノ教室が人気の理由の一つは、コストパフォーマンスがいいという点です。
毎日通って12万ウォン(1万2000円)程度です。
ピアノを習うメリットは子どもの感性を育てられるという点がありますが、実は英語や数学などの塾でのストレスを発散するのにもピアノ教室に行ってちょっと息抜きするにもちょうどいいのです。
「ピアノ教室が好き」
という子の話を聞くと、
「ピアノが弾けて楽しい。」
「他の友達と会えるからいい。」
と子供の憩いの場のような役割を感じます。
「塾は休みたいけど、ピアノ教室は行く。」
と、ピアノ教室は絶対に休まないなんてことも良く聞きます。
ピアノ教室を選択する方法とは?
ピアノ教室がたくさんあるので「どこの教室を選んだらいいか分からない。」と悩むこともあるのですが、ピアノ教室選びも慎重に決めないと失敗する場合があります。
韓国のピアノ教室の特徴をふまえ、選ぶポイントをまとめてみました。
・丁寧に教えてくれる
・立地や室内の環境や雰囲気
・教授法と先生の人柄
丁寧に教えてくれるか?
「丁寧に教えるなんて、あたりまえでしょ!」と思うかもしれないのですが・・
韓国のピアノ教室に毎日通わせる親たちからすると、
「これくらい弾けて当然!」
「どんどん弾けるようにして!」
と目標値が高いのです。
そのためピアノ教室では、1曲1曲を丁寧にゆっくり楽しませるというよりも「早く1冊を終わらせないと。」とスピードを意識しがちな傾向があります。
「うちの子は、バイエル2よ。」
「えっ?まだバイエル2なの?」
なんて近所の人に言われて焦るよりも、子供の進度に合わせて丁寧に正確に教えてくれる教室を探しピアノの楽しさを感じられる教室を探すことが大切です。
また規模の大きいピアノ教室では経営者の先生の下にアルバイトの先生を配置し管理、指導するところもあります。
経営者の方針とは違う形で指導されていないか親がきちんと見守る必要があります。
立地や環境は?
ピアノ教室の周辺の環境や室内の施設チェックはとても重要です。
規模の大きいピアノ教室は、バスでの送り迎えもあります。
塾街が立ち並ぶビルの中にピアノ教室が入っていることが多いので、一度細かくチェックが必要です。
建物のあちこちにCCTVが設置されていますが、特に子どもが行き来する階段やエレベーター、共同のトイレの確認をします。
そして教室内の清潔さや個別のピアノの管理が適切かどうか細かく見ます。
教授法と先生の人柄
ピアノ教室に限った事ではありませんが、ピアノ専攻の先生の経歴も重要ですが教え方や先生の人柄がもっと大切です。
ピアノ教室に見学に行き、先生と話をすればだいたいの雰囲気はつかめます。
特に生徒たちと話す様子、
子どもに話しかける口調、
どんなところに気を使っているかなども、教室の様子や先生の考え方を聞けば大まかに把握できます。
そして各生徒の個性や目線に合わせた指導で感受性や能力を伸ばしてくれる先生に出会えれば間違いなく、子どもは音楽の素晴らしさを体で感じることができるはずです。
毎日レッスンをするために行くというよりも、先生の人柄からも学べることが多ければ、ピアノ教室に通うメリットはさらに増えます。
韓国には街のあちこちにピアノ教室がたくさんあるので、つい先生は売り上げや生徒の獲得を意識し親たちの対応や評価が気になるものです。
でもピアノを習いに来る子供たちの満足度を高める努力をしてくれるピアノ教室に通えば子供の可能性は確実に広がると感じました。
友人が運営するピアノ教室
私の友人は、小学校のすぐ目の前にある建物でピアノ教室を運営しています。
小学校の前には、横並びに3つもピアノ教室があるのでどこも学校前のピアノ教室は激戦区のようです。
彼女の場合は、自分所有している建物でピアノ教室を経営しているので、家賃がかからない分気持ちの余裕があるように感じます。
そしてピアノが人生の一部だと言うくらいピアノが大好きなので暇があればそこでピアノを弾き一日を過ごしています。
彼女のピアノ教室には70%程度が小学生たち、残りの30%は中学生や音楽学科を専攻したい受験生たちが通っています。
彼女は大学院までピアノを専攻し卒業後は、毎年ホールでピアノリサイタルをする実力派なので、口コミもあって遠くから通いに来る生徒もいます。
ピアノ教室は、平日の12時~6時まで毎日運営し、決まった時間に生徒たちが来て練習するのを管理していますが、生徒のレベルやピアノを学ぶ目的がみんな違うので、個人に合わせた指導を行っています。
彼女とは知り合って10年になりますが、私と会うと音楽の素晴らしさを永遠と語るような人で、心から音楽を愛しています。
子供たちに音楽の楽しさを通えたいとすごく情熱的で心から仕事を楽しんでいる様子を見ながら私の視野もかなり広がりました。
これは私の友人が、うちの子どもに音楽体験をさせたいと教室に呼んで教えてくれた時の様子です。
最後に
今回は【韓国のピアノ教室事情】子供が通うピアノ教室のシステムについて紹介しました。
以下の記事も、ピアノ教室やその他の人気の習い事についてまとめてあるので興味がある方はみてくださいね。
【韓国で育児】青少年オーケストラ!オーデイションに合格するまで
ピアノ教室に1年、2年と通いながら、
「あの先生が好き!」
「ピアノ教室が楽しい。」
「ピアノが楽しい。」
「ピアノが上達できて嬉しい。」
「音楽ってやっぱりいい!」
と心の底から喜びの感情がでているとしたら、それは本当に幸せなことですよね。
「ピアノは練習すればできるようになるよ。」
「あなたにもできる。」
を肌で感じさせてくれる経験や、先生の力はとても大きいと感じます。
今回は韓国のピアノ教室を紹介しましたが、芸術的な感性を大切する韓国ではこのような熱心な先生がたくさんいます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひーりんぐまっぷが、みなさんの視野を広げるきっかけになれば嬉しいです。