韓国在住12年のここまるです。
韓国でトライリンガル教育をしています。
今回は、韓国の英語教育事情について紹介していきます。
韓国の英語教育がどれだけ進んでいるかご存じでしょうか?
日本でも英語教育の関心が高まっているため、
「韓国では、どうやって英語を勉強する?」
「どうして韓国人の英語レベルが高い?」
と疑問に持たれる方が多いです。
非英語圏では「英語力は欠かせない」と英語教育がますます重要視されていますが、ここ韓国では1997年から小学校で英語教育が導入され24年が経過しています。
そこで今回は、韓国の幼稚園児、小学生がどのように英語学習をしているかについて触れながら、韓国の英語教育の秘密に迫っていきます。
それでは「日本とは全く違う!韓国の小学生向けの英語塾」について体験談と一緒に見ていきましょう!
韓国の異文化教育に触れながら楽しい時間をお過ごしください。
Contents
韓国の小学生向けの英語塾の特徴
韓国では、小学校3年生から週2回の英語の授業が始まりますが、父兄たちは「学校教育では英語力がつかない。」と言う声が圧倒的です。
韓国人の英語力の高さの理由は、韓国の英語塾の力と言っても過言ではありません。
早期教育がさかんな韓国では英語幼稚園もあちこちにありますし、英語塾も多く留学をする子も多いので子供の特性や、さまざまな目標、条件にあわせ英語塾に通えます。
「自分の言葉で、自分の思いや考えを言えるようになってほしい。」
「世界中の人たちと自由にコミュニケーションができるようにほしい。」
「就職、公務員試験でも、英語力を求められるから国内にいても英語が重要だ。」
ママたち・塾の先生と話すと、スヌン수능(大学入試センター試験)の話題もよく出ます。
「スヌンの英語の試験は、絶対評価に変わったけど出題問題は、難易度も高くなっているから論理的な根拠を探す問題もあって、相当の準備が必要なんです。」
「スヌンの英語リスニングでは一つでも落としたら1等級をもらえないから英語の学習は欠かせないんです。」
と、子供たちの近い将来を想定し親たちは緊迫感をもって英語教育をさせています。
英語塾の特徴は以下の通りです。
1.小学生はほぼ毎日英語塾に行く
2.フォニックス学習が基本
3.韓国人の講師とネィティブの講師がいる塾が人気
4.オンラインやメディアを使った授業が多い
5.英語教育の質が高い
1.韓国の小学生は英語塾にほぼ毎日通う
小学校の近くにはたくさんの英語教室があります。
規模の大きい英語塾に通う場合は、学校の前に塾のバスが並ぶので、各塾のバスに乗って移動します。韓国では、「英語を身につけるには、一定以上の学習量が必要」と考えるため、時間に余裕がある低学年までは毎日英語に慣れさせることを優先にしています。
「忙しくなる高学年になるまでが勝負!」と、低学年までに英語の土台を作ってしまいます。
2.フォニックス学習が基本
始めて英語塾を選ぶときに、韓国のママたちがどんな基準で英語塾を見つけると思いますか?!
韓国の親たちが英語の塾を選ぶ基準にするポイントの一つに
「ネィティブの英語発音を身につけられるか?」
重要視しながら塾選びをします。
英語の発音は、癖がつくと直すのが大変なので初期が肝心です。
学校の英語教育では、英語の発音を個別に矯正してくれませんので、ここで塾の助けが必要となるのです。
そのため幼稚園生から小学生向けの英語塾では、フォニックスを学習のベースとし徹底的に英語の音になれさせます。
発音とアルファベットを結びつけるルールとなる「フォニックス」で、音を正確に聞き、発音し聞き取った音を書く訓練をし、英語の土台をしっかり固めていきます。
そして「英語の音を正しく聞き取る」「読める」「スペリングが書ける」ことを目標に英語耳を作ってしまうのです。
3.韓国人の講師とネィティブの講師がいる塾が人気
ネィティブがいる塾では、韓国人とネィティブの講師がそれぞれの役割をもち「理論・実践」を強化しながら効果的に英語を身につけます。
韓国人講師は、理論や細かい説明を韓国語でしながら理解度を確認しながら授業を勧めます。
ネィティブ講師は、韓国語を一切使わず実践で役立つ会話や聞き取り中心の授業をします。
4.オンライン学習やメディアを利用した授業
授業ではメディアを使うことがあります。
予習・復習、宿題はオンラインを使って反復練習をします。
オンラインで英語のデジタル本を自由に読めるところもあります。
5.英語教育の質が高い
韓国は子供向けの英語塾が多く競争が激しい分、英語教育の質がどんどん良くなっています。
英語の塾に毎日楽しく通いながら、知識を積み上げていくと学習効果が目に見え始めてくる時が来ます。
子供のレベルに合わせた教育を受けることで「英語が楽しい!」と実力をつけ自信を持ち始めています。
韓国の英語塾の種類
小学生向けの英語塾は様々あります。
①少人数制の英語教室
「공부방:コンブバン」は、勉強部屋と呼ばれている小さい規模の英語教室です。
②グループレッスンの英語塾
「영어학원:ヨンオハグォン」は、英語塾ですが、チェーン展開している大型の英語塾もあれば、地域ごとに個人が経営する人気の英語塾もあります。
各塾ごとにプログラムやシステムも違い、塾長の考え方や方針もそれぞれです。
③オンラインや、家庭教師
「オンライン授業」「家庭教師」などで技能別に個別プログラムも多いため、複数の英語学習を組み合わせ自由に英語環境を作るのも人気です。
④特性ある英語塾
最近は、会話中心、発音強化、文法専門、トーフル、トイックなど小学生向けに特性に合わせて通える塾も増えています。
少人数制の英語教室
小規模の少人数制で、個別のレベルに合わせて指導をしてくれるタイプです。
- 韓国人の講師のみ((外人講師の個別レッスンを取り入れている場合もあります)
- 欧米の講師と韓国人の講師がいる(夫婦経営も多い)
中・大規模のグループ型の英語塾
規模が大きくなるほど、レベルも幅広く、多様なプログラムがあります。
全国展開している英語塾は、4技能(読む、書く、話す、聞く)をバランスよく取り入れ、ゲームやアクティビティーなどのカリキュラムも多様な塾が多いです。
全国にチェーン展開している塾は、入試対策の情報も多く、ネィテイブが在籍しているので会話の強化にもつながるメリットがあります。
オンラインや家庭教師
オンラインプログラムが多い韓国では、小学生向けの英語コンテンツも多く、自宅で英語のプログラムが受けられます。
パソコン、ヘッドセットと、マイクを準備すれば、自宅で英語の授業を聞き、ネィテイブと英語を学ぶこともできます。
オンラインではなく、家に家庭教師を招く方法と併用しているご家庭もありますが、ネィテイブの先生を定期的に招いて家で英会話練習をしているご家庭もよく見かけます。
特性ある英語塾
それ以外の小学生向けの英語塾の中には、子供の目標、強化したい技能に特化したさまざまな英語塾があります。
- 文法に特化した塾
- トイックやトーフル専門の塾
- 洋書やニューストピックなどを取り入れたリーディング専門の塾
- 高校受験を目標とした試験対策の塾(4年生以降のレベル)
- 発音矯正を強化できる塾
韓国の英語の学習方法はこれからも多様化することでしょう。
カリキュラムの内容や費用
韓国の英語塾は、塾ごとにプログラムも様々です。
費用は、ネィティブの講師がいる塾と、ネィティブ講師がいない塾では差があります。
低学年までは週5回(1回が平均40分~60分)英語の塾に通い、高学年になると週3~5日で、月額で約15万ウォン~30万ウォン(1万5千円~3万円以内)が一般的です。
最近の傾向としては、英語力が高い子供が増えているため試験対策だけではなく、会話力、プレゼンテーション力を育てるプログラムが人気です。
生徒たちを前に立たせトピックの内容に合わせ英語で発表練習をさせ動画を取ることで親たちも子供たちの学習風景を把握することができます。
親たちは英語教育の費用を払うのに必死ですが、子供が楽しく通いながら学習成果が見れれば何としてでも続けさせたいと思うのが親心です。
塾側も子供たちから「宿題が多い。」「つまらない。」という不満が出ないように子供の目線にたったコーチングや楽しいイベントやゲームを取り入れ生徒の獲得に努力を惜しみません。
ゲームやパーティなどの行事、
発表や宿題をきちんとするとポイントを付与、
ポイントがたまると商品や近所の文房具店の金券と交換など、
賞状やメダルがもらえたり・・・
韓国の塾では、子供の頑張りを応援するサポートが充実しています。
夏休みの英語キャンプ
夏休みや冬休みの前になると「英語英語体験プログラムの募集広告」があちこちで出されます。
英語キャンプは各英語塾が企画するものもあれば、海外の語学学校のプログラムを旅行会社が企画して生徒を募集する場合もあります。
ママたちが集まると「英語キャンプ行く?」と必ず話題にもあがります。
「いろいろな楽しいアクティビティを経験させたい。」
「英語を上達させてあげたい。」という親の期待心と、
「塾の友達が行くから私も一緒に行きたい!」
と周りの雰囲気に流されてキャンプに申し込みする場合もあります。
韓国では、海外のプログラムに奨学金で行けるプログラムもよく見かけます。
人気の留学先は?
留学先としては、韓国人が経営する語学学校が多いフィリピン留学や、予算さえ合えば、世界観を広げさせるアメリカ、カナダ、オーストラリアでの英語キャンプなども人気です。
うちの周りのご家庭では、
「英語キャンプに子供だけ送るのがちょっと不安だから、家族で行ってしまおう。」
と英語キャンプをきっかけに海外での滞在型休暇を楽しんでいます。
今年の夏休みは、さすがに海外英語キャンプのプログラム広告は見ませんでしたが、チェジュ島で行われる英語キャンプは30分で完売するほどです。
家族で泊まれる高級ホテルとのセットで300万ウォン(30万円)のプログラムがキャンセル待ちだと話題になっていました。
英語塾を選ぶ基準
この数年間、英語塾だけでも10か所以上電話をかけ、カウンセリングを受けに行ったので、かなり塾の内情や学習管理の仕方やプログラム内容が分かるようになってきました。
英語の塾に電話すると子供の英語のレベルを聞かれますので、まったくの初心者でなければテストを受けます。
以前カウンセリングをうけた英語の塾では、10分のレベルテストに有料(2万ウォン)(2千円)を払ったところもありました。
たくさんある英語塾は、それぞれ特色やカリキュラム、指導内容が違うため、私たち父兄が選択基準をしっかり持ってないと、どこの英語塾を選んだらいいか迷うこともあります。
そのため、いろいろな塾を見てきた経験をもとに、塾を選ぶうえでチェックする項目を明確にしました。
英語塾を選ぶ方法とは?
いろいろな塾にカウンセリングに行ったり、授業を受けたことで塾を選ぶポイントが見えてきました。
もちろん、周りのママたちからのアドバイスもとても助けになりました。
英語の塾を選ぶポイントで何よりも大切なのは、
自分の子どもを知ることだと思いました。
そのうえで、塾を選ぶポイントをまとめて見たので参考にしてください。
- 塾のシステムやプログラム内容は?
- 4技法をどのように身につけられるのか?
- どんな教材を使っているか?
- うちの子が入るグループレッスンは何人いるのか?(学年・男女の比率も)
- レベルアップする過程や理解度を把握できるテストがあるか?
- 中学の試験をカバーできる体系か?
- 宿題の量や、宿題の管理はどのようにしているか?
- グループレッスンの場合は、先生は担当制か?
- 担任の先生はどんな方か?
- テキスト以外に、オンライン学習やそのほかの学習方法があるのか?
- ネィティブ講師の授業はどんなことをするのか?
- 先生から定期的な進捗連絡があるのか?(意思疎通の方法)
- 授業以外にゲームやアクティビティーがあるのか?
塾の管理体制
授業の内容以外にも、塾の雰囲気や、塾長、先生たちが生徒たちとどのようにコミュニケーションをしているのかも見れるととても参考になりました。
- 塾長の人柄や考え方に共感できるか?
- 先生たちの子供への接し方はどうか?
- 塾の雰囲気はいいか?(子供にも意見を聞きます。)
これ以外に、授業料、バスでのピックアップがあるか、休んだ時の補習授業はどうなっているか?など、聞くようにしてます。
いろいろな塾に通い良かった点
いろいろな塾に通ったから分かったこと、学んだことがあります。
良かった点は二つあります。
1.塾の管理の仕方が重要性だと分かったこと。
2.子供の特性と英語力が把握できた。
1.塾の管理の仕方が重要性
子どもの通う塾が、どんなにいいシステムや教材を使っていても、塾長の考え方、管理の仕方、講師陣の教え方が間違っていれば正しい効果が出ません。
そのため、生徒の強みや弱点を把握し、個別の管理がきちんとしているかを見極める必要があります。
勉強ができる子、要領をつかむのが早い子、理解力が高い子はどこの塾に通っても問題ありません。
でも逆の場合は高い授業料を収めても、同等の効果が見られないのです。
そのため、授業内容と子供の理解度を家で必ずチェックし塾を見極めることが大切です。
2.子供の特性と英語力が把握できる
英語教育もトレンドがあるので今人気の塾が、数年後も人気だとは限りません。
また、新しい英語塾や人気だと言われる塾があれば、子どもを連れてレベルテスト(有料)を受けに行き子供の英語力を把握することができます。
先生から見た子供の「授業態度」「理解力」「性格、特性」「学習能力」をいろいろな角度から指摘をしてもらい、とても参考になりました。
よく塾選びのポイントに「子供にあった塾(学習方法)を探す」というのがありますが、子供のことを把握していないと、どんな弱点があってどんな方法が効果的なのかも分からないものです。
塾に期待する個別の管理、子供に合わせたコーチングはとても重要ですが、家庭でも子供をよく観察しながら、塾の進捗管理を把握していないと学習効果は十分に発揮できないと感じます。
今通っている英語塾のレビュー
現在、娘が通っている英語塾について紹介します。
現在小学2年生の娘は週5回英語の塾に通っていますが、当初英語の塾選びに悩みました。
なぜなら、幼稚園でカナダ人と韓国人の講師による週3回の英語の授業があったので、歌やゲームを中心にフォニックスをしっかり身につけていたので、それと同等以上の英語塾似通おうと思ったからです。
いくつか見学にも行き、レベルテストも受けて決めたのはEIE言語院(EIE어학원オハグォン)です。
ソウルの名門私立大学の高麗大学(コリョテハッキョ)の国際言語院で開発された高麗大学の英語教育プログラムを取り入れた全国展開している英語教室で、2万以上教室があると言われています。
EIE英語塾
英語を母国語としないELF環境の人たちのためのオリジナルプログラムで、高麗大学の国際言語院の今までのノウハウをもとに開発されました。
授業はオンライン45分、韓国人講師または欧米のネィティブ講師の授業45分の計90分で構成され、週5回の授業です。
EIEの英語塾の特徴は・・・
暗記式ではなくプレゼンテーションや表現力をつけさせるプログラムで、インプットをたくさんしたあとに、授業やオンラインを通して、アウトプットやヒヤリングの練習を強化するプログラムです。
特にスピーキングに力をいれているため、アウトプットをしたものを録音をする課題もあります。
オンラインを併用し教材とコンピューターで関連した文章や表現を学びスピーキングと、ライティングの反復練習ができることや、管理体制やシステムがいいので小学生よりも中学生も通う子が多いです。
プレゼンテーション
発表の時間は、トピックに合わせて自分の言いたいことを表現する練習をします。
例えば、夏休み前であればトピックは、「旅行!」
It is July, I want to take a trip to ○○ during summer vacation.
7月です、私は夏休みに○○へ旅行に行きたいです。
While I travel there, I can ○○.
私がそこに行っている間、私は、○○ができます。
発表を頑張ると、塾で使えるおもちゃのお金をもらえるのでそれを集めるために頑張っています。
ネィテイブの先生がいい!
どこの英語塾でも「ネィティブの先生の授業が楽しい!」と言う声を聞きます。
ネィティブの先生の授業はゲームやアクティビティーが多く、いつもの授業とは違った雰囲気で授業を盛り上げてくれるのでうちの子も「ネィティブの先生の授業が一番楽しい!」と言うほど楽しみにしています。
「英語の塾が毎日で大変そう!」と思うかもしれませんが、子供たちを見ていると、「英語の塾が楽しい!」「休みたくない!」と楽しそうに通っています。
塾の細やかな管理にも満足で中学生まで通えるプログラムもあるので、このまま基礎固めをしながら楽しく英語の力をつけてほしいです。
人気の英語塾を見ると、子供心をつかんだ英語教育のノウハウをしっかり持っているなあと感じます。
英語の力は、すぐには実感できず時間がかかるものですが英語が生活の一部になっているので、このまま英語を学びつづけ、たくさんのインプットをしていけば力がつくと確信するようになりました。
最後に
今回は、「日本と全く違う韓国の小学生向けの英語塾!実際に通った感想や効果もレビュー」を紹介しました。
教育熱が世界1の韓国の英語教育についていかがでしたか。
「韓国の子供たちの英語力がますます高くなっている!」と感じるのは英語の塾が数の多さと、質の向上もあると思います。
日本と韓国は非英語圏なので、英語を学ぶために英語環境を作ることが一番難しい悩みですよね。
家でCDを聞いたり、英語コンテンツでの学習は補足であって、専門の機関のプログラムが家のそばにあれば、子どもは楽しく英語を学べるのですからそれが一番楽で、上達の近道なのです。
今回は、実体験に基づいて日本と全く違う韓国の英語塾のシステムについて解説しましたが、日本の子供たちがもっと身近で英語に触れる機会が増えてと願うばかりです。
教育熱が世界1の韓国のママたちがいつも集まって話す話題ってどんなことだと思いますか?
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最後まで読んでいただきありがとうございました。